要旨

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機により、世界中の教育制度は対面指導に代わる新たな手段を見出すよう迫られている。その結果、オンライン指導・学習は、かつてない規模で教員と生徒に活用されるようになった。全面的であれ地域限定であれロックダウンは、ワクチンが行き渡るようになるまでは感染拡大の新たな波を抑え込む手段として再び必要となる可能性があることから、各国政府は、オンライン学習の有効性を最大限引き出せる政策を明らかにすることが何より重要である。本稿は、通常の対面授業が行えない場合にオンライン教育の潜在力を最大限活かす上で生徒の学習態度が果たす役割を検証するものである。特に、こうした状況下では、生徒がこの重要な学習態度を身に着けるのを手助けする保護者と教員の役割が欠かせないことから、保護者の負担を減らし、教員と学校がデジタル学習を最大限活かせるよう、的を絞った政策介入を設計する必要がある。

 
主な調査結果と勧告:
  • 現在のCOVID-19危機では、大半の教育制度が対面式の指導と学習に代わる手段を採用するよう迫られた。多くの教育制度は、学校が閉鎖されても指導を継続できるようオンラインでの活動に移行した。

  • オンライン教育は、通学しない場合の代替策として、学校閉鎖中の能力開発を持続させるための重要な手段となっている。それにもかかわらず、オンライン学習は、対面指導に代わる次善の策にとどまるという懸念が残っている。特に、すべての生徒がインフラ(ハードウェア、ソフトウェア)を平等に利用できず、また、教員や生徒がオンライン教育・学習に必要とされる独特なニーズへの備えが十分できていない場合にはそれがあてはまる。

  • しっかりとした学習態度を身に着けることは、生徒が、例えばオンライン授業での集中力や十分な意欲を維持するなど、オンライン学習がもたらす課題の克服に役立つ。また、生徒が情報通信技術(ICT)や勉強のために新しいテクノロジーを有効活用するのを支援する際にも、この学習態度は重要である。学ぶことへの前向きな態度、自己管理、本来持っている意欲は、全般に学校での成績向上に重要な役割を果たしているが、オンライン学習が続けば、特に重要性が高まる可能性がある。

  • 生徒の態度と性質は、家族と教員から受ける支援、そして手本となる人物からきわめて大きな影響を受ける。親からの精神的支援と教員の熱意といった様々な形態の支援は、前向きな学習態度の育成に重要であることがわかっており、そうした支援によって生徒は、オンライン学習の機会を最大限活用できる学習態度と傾向性を確実に身に着けることができるだろう。しかし、特にCOVID-19危機の最中には時間的余裕がない、デジタルスキルが不十分である、指導要領がないなどの理由から、そうした支援ができない家族や教員もいる。

  • 教育制度は、子供の学習支援に向けた効果的な実践について保護者により良い情報と指針を提供するために、学校と保護者の交流強化を目指すべきである。それと同時に教員の側では、自らの実際の指導と方法にテクノロジーを効果的に組み込み、生徒がこの学習環境形態に伴う困難を克服できるよう手助けできるようになるための支援を必要としている。指導方法(pedagogical practices)と現状に即した授業を行うためのデジタル資源の活用に関して教員研修を実施するよう後押しすることは、ICTが確実に有効活用されるための鍵を握っている。

COVID-19危機対策として、世界中の多くの国々が感染拡大を防止するため、学校やカレッジ、大学を閉鎖した。ユネスコ(国連教育科学文化機関)のデータによると、学校閉鎖のピークは2020年4月初頭で、194カ国、16億人前後の学習者が影響を受けた。これは在籍学習者全体の90%を超えている (UNESCO, 2020[1])。突然の学校閉鎖に直面した教育政策当局、校長、教員は、子供の学ぶ権利を保証するために対面指導に代わる手段を見つけなければならなかった。多くの教育制度は、テレビやラジオといった広く使われている遠隔学習手段と組み合わせて、かつてない規模でオンライン授業(及びオンライン学習)を導入した。新型コロナウイルスに対する有効なワクチンや治療法が確立するまでは、学校現場では混乱が続く可能性がある。感染爆発の第2波という最悪のシナリオが現実にならなくても、ウイルスの伝播を止めるために、地域限定の一時的な学校閉鎖は依然必要になるかもしれない。例えば、感染者と接触した子供は自主隔離を求められる可能性があり、また、彼らが授業に出るための十分な空間やそうした状況下で配置される有資格教育者がいない場合、特定の学校ではソーシャルディスタンス(社会的距離)を保証するため、混合型モデルを採用せざるをえなくなる。すでにそうした事例は発生しており、例えばドイツでは、学校再開からわずか2週間で、感染拡大のために一部の学校が再び閉鎖を余儀なくされた。こうした先が見えない状況下で、どの政策がオンライン授業・学習の有効性を最大化できるかを明らかにすることが重要である。

学校が閉鎖されると生徒の学習は大きな支障を来たし、影響を受ける年齢層の人々に長期的な結果をもたらす恐れがある(Burgess, 2020[2]; Hanushek and Woessmann, 2020[3]) 。デジタル教育への突然の転換は対面式の授業の次善策であるが、この突然の転換によって教員も生徒も学校も新たな状況に予想外の適応を迫られた。本稿では、感染拡大防止のためオンライン学習が必須となった場合、どうすれば遠隔教育をさらに改善できるかを理解するために、生徒、教員、学校がオンライン学習への適応に際して直面した課題について検証する。

最初に浮上した懸念は、オンライン学習は、自宅から学習に十分な速度のブロードバンドに接続できる子供しか利用できないはという課題である。ネットワーク事業者は、ロックダウン中でも概ねサービスを継続し、既存能力を効果的に活用できているが(OECD, 2020[4])、それでも地方やへんぴな地域、低所得層を中心に十分なサービスを受けられない地域と人々が存在する。例えば、多くのOECD加盟国では、地方の世帯のうち、十分な速度の固定ブロードバンドを利用できる地域に住む人の割合は半数未満である。さらに、子供はパソコンなどの端末とオンライン学習の活動に参加するために必要なソフトウェアを確保する必要がある。これは低所得世帯では難しい場合がある。

第二の懸念は、オンラインに接続できる生徒であっても、特定の生徒が十分な指導時間を得られていないという問題である。例えば、英国では、公立学校の生徒の71%は日課のオンライン授業を1日も受けなかったか1日未満であり(Green, 2020[5])、ドイツでは、毎日オンライン授業を受けられた生徒は全体のわずか6%で、半数以上は週に1回未満であった (Woessmann et al., 2020[6])。一部のエコノミストは、その結果、米国の生徒は2020年秋に学校が再開した時点で通常年度と比較した習得量が平均でほぼ70%程度で、数学についてはさらに少なく50%にとどまる可能性があると推定している(Kuhfeld and Tarasawa, 2020[7])。したがって、教育政策当局にとっては、特定の子供が十分な指導を受けられない要因を把握することが重要である。こうした要因としては、インフラの欠如に加え、学校と教員の側に十分な備えができていないことや、場合によっては指導要領がないことが挙げられる。また、これらの要因は、学校間、各国間でオンライン学習の質に大きな差を生む原因ともなっており、是正策が採られなければ、社会経済的グループ間の教育成果の格差拡大につながるという懸念がある。例えば、米国では、特に低所得層の生徒が大部分を占める学校で、生徒の3分の1以上がオンライン学習から完全に排除されているのに対して、エリート層向けの私立学校は、ほぼ全員がオンライン学習に参加していた(The Economist, 2020[8]; Khazan, 2020[9])。同様に、イングランド(英国)の実証によると、ロックダウンの期間中、裕福な家庭の子供は貧しい家庭の子供より在宅学習に費やす時間が30%長く、また、裕福な保護者は、社会経済的に恵まれない保護者より子供への支援により自信を感じており、さらに裕福な学校の生徒は個人に合わせた学習資源(オンラインによる家庭教師や教員とのチャットなど)をより多く活用していた (IFS, 2020[10])

その他、特定の生徒と教員に基本的なデジタルスキルがないため、突然の新しい状況に適応するための備えができず、オンライン学習の有効性が妨げられていることが懸念されている(OECD, 2020[11])。例えば、PISA2018調査(生徒の学習到達度調査)に基づく実証説明によると、すでにパンデミック以前から、15歳の生徒が学習用に使うテクノロジーの利用には各国間、社会経済的グループ間で大きな差があり、十分な経験のない生徒はオンライン学習という突然の衝撃に最も苦慮していることが懸念される。

 
図 1. 学校外での学習のためのICT利用の平均指標(社会経済グループ別)

注:学外での学習のためのICTの利用についての指標は、どの程度の頻度で生徒がコンピュータ上で宿題をし、学校の課題のためにインターネットを使い、学校関係の連絡にEメールを使い、学校のウェブサイトを閲覧し、ウェブ上の教材をアップロード、ダウンロードしているかを測定したものである。この指標の数値が高いほど、多様な利用を行っている頻度が高いことを示している。社会経済的に恵まれている生徒、恵まれていない生徒とは、PISAの社会経済文化的背景に関する指標の上位25%、下位25%に含まれる生徒と定義されている。

出典: OECD, PISA 2018 Database.

図 1 は、ほぼすべての国々でパンデミック以前の2018年に、社会経済的に恵まれない出自の生徒が恵まれた出自の生徒に比べて、デジタルテクノロジーの利用頻度が低かったことを示している。格差が特に大きいのはオーストラリア、メキシコ、韓国、米国である。同様の差は公立学校と私立学校の生徒の間でも観察されており、私立学校の生徒は学習用にデジタルテクノロジーを利用する頻度が高くなっている (OECD, Forthcoming[12])

さらに、教員の中にも十分なデジタルスキルがないために突然のオンライン教育への適応に苦労している人々がおり、それが学校間のオンライン教育の質における大幅な格差をさらに広げていると見られる。この文献の前にも、学習目的のICTの有効性は教員のデジタル能力と、テクノロジーが指導法実践に効果的に組み込まれているか否かに大きく左右されるという結果が出ている (OECD, 2010[13]) (コラム 1参照)。

 
コラム 1. デジタル学習が生徒の成績に与える影響:現在の知見

多くの国々の政府がここ数年、学校と家庭でのデジタル端末の利用可能性を高めるためにより多くの資源を投じている中で、一部の学術研究は、デジタル端末の使用が生徒の学びに影響するメカニズムを解明しようとしている。その結果、デジタルテクノロジーをただ提供して利用させるだけでは、必ずしも学業成績が向上しないことがわかってきた(Escueta et al., 2017[14])。例えば、AngristとLavy (2002[15]) は、90年代半ばに始まったイスラエルのTomorrow-98プログラムの効果を評価している。このプログラムは学校にコンピュータを提供し、教員にコンピュータ支援型指導のための研修を施すものだが、彼らは、プログラムによって進められたコンピュータ利用と数学の点数との間に負の関係があることを明らかにした。同様の結果は、学校にコンピュータとソフトウェアを提供するオランダの助成金制度を評価した調査からも得られており、この措置は、言語、算数、情報処理の生徒の成績に負の影響を与えていた (Leuven et al., 2007[16])。他の調査でも、ICT利用の効果はごくわずかという結果が出ている。2008年、イタリアで、ICT購入のための多額の補助金を156の学級に提供するという大掛かりな実験が始まった。生徒1人当たり約1,500ユーロという多額の費用をかけたものの、このCl@ssi2.0プログラムは、生徒の成績への効果がほとんど認められなかった (Checchi, Rettore and Girardi, 2015[17])。同様に、米国カリフォルニア州では、低所得世帯の学童に家庭用コンピュータを無料配布するフィールド実験が行われたが、教育成果は改善しなかった (Fairlie and Robinson, 2013[18])。このように逆効果になったり、ほとんど効果がなかったりした原因は主に、ICTがより効果的な従来型指導の代わりに使われたためである (Bulman and Fairlie, 2016[19])。例えば、ある調査によると、教室のコンピュータは情報検索のために使うと生徒の成績にプラスになるが、スキルや手順を実践するために使うと有害である(Falck, Mang and Woessmann, 2018[20])。他にも、デジタルツールは、例えば学習時間を増やす、学習意欲を高めるなど従来型教育を補うために使うと、生徒の学びにプラスになるという調査結果もある (Fleischer, 2012[21]; Peterson et al., 2018[22])

こうした知見を踏まえて、各国政府と校長は、教員が指導実践にオンラインツールを効果的に組み込めるよう支援する取り組みを実施すべきである。例えば、教員に対し、生徒にアクティブラーニング(能動的学習)の指針を与え、意欲を持たせるための教授法を身に着けさせることも一案である(Peterson et al., 2018[22]) 。また、教授法実践では学習者のニーズや習得済みの能力、デジタルの理解力に合わせてデジタル技術とオンラインツールを使用し、教員は相談相手(メンター)として生徒を指導し、生徒が課題の学習要素に集中し続けられるよう手助けすべきである (OECD, 2019[23])

しかし、効果的な教授法実践とデジタルツールの利便性は、オンライン教育・学習の有効性を確保する上で必要条件であっても十分条件ではない。平常時に生徒の学業成績を大きく左右するのは、その生徒の学習態度である。実際、在宅学習時には、それが生徒の意欲とアクティブラーニングの持続にきわめて重要となりうる。次節では、学習に対する前向きな態度の育成がデジタル環境下での効果的な能力開発をどのように促すかに焦点を当てている。また、前向きな学習態度は、保護者の情緒面での支援と教員の熱意によっていかに培われるかを明らかにする。

 前向きな学習態度を持つことで、学校での成績向上につながり、学校閉鎖時には生徒が学習意欲が維持される

最近、生徒間の様々な非認知能力の開発を持続させることへの関心が高まっている。非認知能力は性格的な特徴や目標、やる気などをいうが、それらが賃金や学業、学力テストの成績など、いくつかの社会経済的成果に直接プラスの影響を持つことがわかってきたからである。実証によると、これらの能力は政策介入と教室での実践に影響を受けやすい (Heckman et al., 2014[24])

このセクションでは、次の6項目の学習態度に着目している。

  • できる限り学び、理解しようという生徒の向学心(意欲的な学習目標)

  • 生徒が学校に見出す将来のキャリアとの関連性(学校の価値)

  • 学校という共同体への帰属意識(帰属意識)

  • 熱心に勉強して成績を上げようという生徒の意欲(課題習得への意欲)

  • 生徒が困難を自分で克服できると思えること(自己効力感)

  • 学習や読書から生徒が得る満足感(読書の楽しさ)

OECD Skills Outlook 2021 (OECD, Forthcoming[12])に収録される実証によると、上述のすべての態度は読解力、数学、科学の成績にプラスの影響を持つという点から、生徒の成功1 に特に重要であることがわかる。これらの学習態度の多くは学習を始めた早い段階で身に着くが、大人になっても維持されることが多く、社会の変化に対してより強靭で、より生涯学習を好む人間を作る(OECD, Forthcoming[12]; Tuckett and Field, 2016[25])。。学習態度は生まれつき備わっているものではなく、その育成には学校教育、親の子育て、投資が大きく影響するため、社会経済的グループ間で大きな不平等を生むリスクが高い。例えば、あるデータによると、OECD加盟国の圧倒的多数では、社会経済的に恵まれた生徒は恵まれない生徒に比べて野心的な学習目標を持つ可能性が大幅に高い(図 2) 。このことは最終的に生徒の習熟度と学業成績に影響する。

 
図 2. 野心的な学習目標の平均値(恵まれた生徒と恵まれない生徒)

注:この尺度の正の数値は、その国の生徒がOECD加盟国の平均的な生徒より高い野心的目標を持っていることを示している。社会経済的に恵まれている生徒、恵まれていない生徒とは、PISAの社会経済文化的背景に関する指標の上位25%、下位25%に含まれる生徒と定義されている。

出典: OECD, PISA 2018 Database.

前向きな学習態度は、平常時の生徒の学業成績を牽引する重要な要素だが、現状はオンライン学習による特異な課題が生じているため、重要性が増す可能性が高い。オンライン学習は、その生徒が本来備わった意欲をもって自発的に学習を行うことを前提にしている。しっかりとした学習態度を身に着けることは、例えば、生徒が困難な学習環境の中で集中力と意欲をもち続けるためには不可欠であり、したがって近い将来、この健康への危機が完全に収束する前に学校閉鎖の第2波が訪れた場合、生徒が再び直面するかもしれない大きな困難を克服するためのカギを握っている。

図 3は、各学習態度項目のそれぞれ上位25%と下位25%に含まれる生徒の学習用ICTの頻繁な利用と読解力の成績との関連性を比較することで、デジタルテクノロジーを通じて学習が行われた場合の学習態度の重要性を示したものである。その結果から、学習にICTを頻繁に利用している生徒の中でも、確かな学習態度を持つ生徒ほど習熟度のレベルが大幅に高いことがわかる。2 分析を進めると、総じて前向きな姿勢は生徒の学業成績全体にプラスになる傾向があるが、この正の関係は、対象サンプルをICTの高頻度利用者に限るとさらに強まるため、学習態度は、学習にテクノロジーとオンラインツールを効果的に統合するためのカギになりうることがわかる。様々な学習態度の役割をより詳細に検証したデータによると、生徒が野心的な学習目標をもち、学校に高い価値を見出すことが、オンライン学習の効果を最大化する上で特に重要であることがわかる。例えば、アイルランドでは、勉強にICTを幅広く利用している生徒のうち、野心的な学習目標を強く持つ生徒はもたない生徒に比べ、読解力テストの点数が32点高い。3

 
図 3. 学外で学習用にICTを集中利用している生徒の学習態度と読解力の成績との関連

注:この数値は、学外で学習用にICTを集中的に利用している生徒の学習態度の数値と、読解力の成績との関係を表している。棒グラフは、学習態度の上位25%と下位25%の生徒の間の読解力テストの得点の違いを表している(OECD平均)。ICTを集中利用している生徒のみが対象。回帰分析の統制変数は、生徒及び学校のPISAの社会経済文化的背景指標、年齢、性別、滞在資格、私立及び地方の学校への通学のダミー変数を含む。回帰は、学習態度の各項目について個別に推定されている。各国固定効果は回帰に含まれている。斜線の棒グラフは、5%の統計的有意水準を満たしていない係数を表している。結果が有効になるのは、その国と課程の種類(普通科、就職前、職業訓練)における基準学年(modal grade)の成績と比較した生徒の成績に制御を加え、結果が学校の性格に左右されるという懸念を軽減されたときである。

出典: OECD, PISA 2018 Database.

学習に対する態度と傾向は、生徒の学業成績を牽引する重要な要素である。オンライン学習の環境では、これらは、生徒が学習プロセスにデジタルテクノロジーとオンラインツールをより効果的に組み込むのに役立つ

 家族と教員:両者はデジタル学習を効果的に支援できるのか

学習態度は、生徒が教員と家族から受ける支援に根ざしている。OECD Skills Outlook 2021 (OECD, Forthcoming[12]) では、PISA 2018に基づいて分析を行い、学習態度の育成を牽引する教員の実践と保護者の情緒的支援が果たしている重要な役割に光を当てている。全般に効果的な政策介入によってさまざまな支援形態を奨励し策定することができるが、COVID-19のパンデミックに関わる特異な環境下ではさらに多様な特にそうである。したがって、子供のデジタル学習プロセスを支えるために教員と家族が受け入れられる、最も適切な支援形態を理解することが重要である。

 
図 4. 学習態度と保護者・教員による様々な支援形態の関係

注:この数値は、保護者と教員による支援の指標が1単位増加すると、各学習態度指標がどう変化するかを表している。推定値はOECD平均値。回帰分析の統制変数は、生徒及び学校のPISAの社会経済文化的背景指標、年齢、性別、滞在資格、認知的能力の尺度を含む。各国固定効果は回帰に含まれている。

出典:OECD, PISA 2018 Database.

図 4 から、生徒は保護者からより強い情緒的支援を受けると学習に対する態度と傾向がより前向きになることがわかる。4 保護者の情緒的支援は学習態度項目の大半にとって重要であり、生徒の自己効力感と強い関係があることを示している。具体的には、最も高い効果が確認された情緒的支援の形態は、保護者が子供に自信を持つよう励ましたり、子供の学習への努力と成績を応援したりすることである (OECD, Forthcoming[12])。教員の側については、教員が自分の指導内容を熱心に伝えることができる教育環境が生徒の前向きな学習態度、特に野心的な学習目標、課題習得への意欲、自己効力感、読書の楽しさを引き出すことがこの分析からわかる。生徒の学びを牽引する要因として、教員の熱意が重要であることは広く文献で証明されている。例えば、熱心な教員は生徒に、主題に関する肯定的な感情体験をもたせ、その主題が個人的に重要であると思わせることができ (Keller et al., 2014[26])、また、生徒の意欲を引き出して元気づけ、生徒が学習課題に費やす生産的時間を増やすこともできる (Keller et al., 2015[27]; Hoidn and Kärkkäinen, 2014[28]; Kunter et al., 2013[29])

図 5 では、保護者と教員の支援が生徒の学業成績にプラスになることを示すために、学外でICTを学習用に集中利用している生徒を対象として、家族及び教員から大きな支援を受けている5 と答えた生徒と、あまり受けていないと答えた生徒の間の読解力の成績を比較したものである。PISA2018調査に基づくこの実証から、数種の支援形態が生徒の学習強化に特に有効であることが明らかである。例えば、ICTの高頻度利用者のうち、親からきわめて強い情緒的支援を受けている生徒や、教員からより多くの支援を与えられ読書を奨励される生徒は、PISA調査の全科目において格段に優れた成績を収める傾向がある。保護者の情緒的支援は特に効果がある。例えば、スロバキアでは、ICTを頻繁に利用し、かつ家族から大きな支援を受けている生徒は、家族からの支援が少ない生徒より、成績が平均で23点高い。保護者から強い情緒的支援を受けることは、オーストリアやスロベニアを含む数カ国でも同様に有効である。

 
図 5. 学外で学習用にICTを集中利用している生徒の読解力の成績と、家族・教員から受ける支援との関係

注:この数値は、学外で学習用にICTを集中的に利用している生徒が受ける支援の度合いと、読解力の成績との関係を表している。棒グラフは、家族と教師から受ける支援が上位25%と下位25%の生徒の間の読解力テストの得点の違いを表している(OECD平均)。ICTを集中利用している生徒のみが対象。回帰分析の統制変数は、生徒及び学校のPISAの社会経済文化的背景指標、年齢、性別、滞在資格、私立及び地方の学校への通学のダミー変数を含む。回帰は、支援の種類別に他の連続指標を制御しながら推定している。各国固定効果は回帰に含まれている。斜線の棒グラフは、5%の有意水準を満たしていない係数を示している。

出典: OECD, PISA 2018 Database.

この実証は、保護者が在宅学習において重要な役割を果たせることを示唆している。例えば、同級生もいない自主的な学習で子供がやる気を失いがちな状況で、保護者は、彼らが確実にカリキュラムに従い、学習意欲と野心的な目標をもち続けるよう情緒的に支援できる。この面での保護者の関与は、生徒がオンライン学習から生じる厳しい試練を乗り越える大きな力となり、能動的で自発的な学習を引き出すことができる。しかし、多くの障害が親の効果的な関与を妨げる可能性がある。例えば、親が自分の仕事と他の家族の世話を同時に果たしながら子供の勉強に関わるのは難しい。特にひとり親の場合は深刻である。また、自分にデジタルスキルがない、学習内容に精通していない、教材に否定的な態度を取っているなどの理由から、子供を支援できないと感じることもある。例えば、保護者の教育水準の差は教育成果の不平等をさらに悪化させるため、政策立案者にとっては大きな懸念である。例えば、オランダの最新調査によると、低学歴の親ほどロックダウン期間中の子供の学習を手助けしていなかったが、その一因は、自分は子供を助ける能力が低いと感じていたことにある (Bol, 2020[30])。また、低学歴の親は学習そのものに消極的で、子供の能力開発を支援することの重要性を過小評価しており、その結果、高学歴の親ほど支援しないと考えられる。もう一つの懸念は、在宅学習期間は多くの子供が主に母親から学習支援を受けるため、数学の学習態度と成績における男女格差がより開く恐れである (Del Boca et al., 2020[31]; Farré and González, 2020[32]; Sevilla and Smith, 2020[33])。多くの女性がかなり強い数学恐怖症であることは知られており、過去の調査でも、女子生徒は特に成人女性の数学恐怖症に接すると敏感に反応し、自分もそうなってしまう傾向のあることがわかっている (Beilock et al., 2010[34])。そのため、各国の政府と学校はこれらの問題に取り組み、保護者の関与を促すため、直ちに行動を起こすことが不可欠である。

家族と同様に教員も、生徒がデジタル学習をより効果的に活用できるよう支援する上で不可欠な役割を担っている。特に、最も効果的な実践とは、教員が生徒の読書欲を刺激すること(例えば、生徒が積極的に参加したくなるような質問をする、教科書の情報がどのように自分の知識を築いているかを示す)、より全般的な支援(例えば、教員がすべての生徒の学習に関心を示す、全員が理解するまで教え続ける、生徒が必要とする場合には追加支援を行うなど)、方向性のある指導(例えば、教員が生徒の学習に明確な目標を設定する、教材を理解しているかどうかを確認するために質問する、各学課の開始時に前の授業のまとめをする)ことである。保護者の情緒的支援と同じように、こうした教員の実践は学校での生徒の成績を大幅に改善する可能性があり、特に現状では、生徒が学習課題に集中し、学習への意欲と傾向を持つのに有効である。例えばオーストラリアでは、学習にICTを広く活用している生徒のうち、教員から読書を上手く奨励されている生徒は、教員からの支援が少ない生徒より、成績が平均17点高くなっている。同様の結果はスイスなど、他の国々でも観察されている。

学習態度が生徒の(オンライン)学習の成績を牽引するカギを握っているとしたら、各国政府が取り組むべき主な課題は、この学習態度をどのように身に着けさせるのか、そしてそれを強化するためにどのように教員と保護者を支援するかということである。一部の国はすでにこの方向で政策を実施している。これらの政策については次節で述べる。

 家族と教員を支援する政策

これまでの分析で、平常時はもちろん、学校閉鎖の期間中は特に、生徒の学習と意欲を支える上で家族と教員がともに重要であることが浮き彫りになった。したがって、各国政府は両者の効果的な関与を促すことが重要である。仕事を持つ保護者が仕事をしながら育児を行い子供の勉強を手助けできるような効果的な方法を見つけることは、多くの政府が取り組んでいる重要な課題である。大半のOECD加盟国はすでに、例えば家族休暇の機会を拡大するなどして、この方向での介入を実施している。スロベニアでは、仕事と家族の世話を両立できない親は、政府から賃金の80%が支払われる有給休暇を最長3カ月間取得できる。同様にドイツでは、12歳未満の子供を持つ親は、月額2,016ユーロを上限として賃金の67%を受け取れる6週間の有給休暇を取得することができる。米国では、「家族ファースト新型コロナウイルス対策法(Families First Coronavirus Response Act)」に基づき、学校閉鎖中の18歳未満の子供を持つ親は最長12週間の有給家族休暇を取得でき、その間日額200米ドル、期間中1万2000米ドルを上限に賃金の3分の2が支給される。カナダ、フランス、イタリア、スイス、英国などの国も同様の支給を行っており、学校閉鎖が続く間は継続される予定である。この種の対策は、保護者の雇用を守りながら子供の学習活動への関与を促すためにきわめて重要である。

また、保護者に子供の学習をどうすれば効果的に支援できるかという情報を提供することは、ロックダウン期間中も平常時でも、教育成果の改善につながる。例えば、米国で作られたウェブ上のプラットフォーム、ワイドオープン・スクール(Wide Open School)は、未就学児から高校生までの教育者と家族向けの資源を提供している。この資源の中には、学問の技術的スキルや創造性、批判的思考、社会情動的スキルを身に着ける目的のものに加え、例えば、低所得世帯が端末や良好なブロードバンド環境を確保するのを支援したり、社会情動的な幸福(wellbeing)について助言したりするといった家族への支援もある。また、このプラットフォームでは、体系的な教材が利用できるだけではなく、生徒と家族が活動のバランスをとれるよう1日のスケジュールを決めることを提案している (Vincent-Lancrin, 2020[35])

また、教育制度の中には、保護者が子供の学習支援を効果的に実践できるように適切な情報と指針を提供するために、学校と保護者の間の交流強化をめざす動きもある。ラトビアの例を挙げると、教育テレビ局のTava Klaseは、様々な年齢集団に合わせた質の高い教材を配布し、保護者が学校とつながりを持つための手段を提供している (van der Vlies, 2020[36]) 。その成果を示すものとして、保護者、生徒、教員を対象にした最新調査では、学校と保護者のコミュニケーションの明確さと、子供が学習目標を達成するという保護者の信頼感との間に強力な正の関係があることがわかった (Burns, 2020[37])

教員は、通常か特別なものかを問わず、遠隔授業に自分の指導実践を迅速に適応させるための支援を必要としている。これに関してフランスでは、対面学習から遠隔学習への移行を後押しするために地元のデジタル教育アドバイザーのネットワークを動員している。このネットワークは教員、校長に対しては授業法実践のためのデジタル資源の利用可能性と使用に関するオンライン研修を実施し、教育の継続性と漸進的な学校再開に適用される教育実践を推進することで支援を行い、また生徒には地方自治体と連携して全員にコンピュータを貸し出し学習用ワークシートを配布することで、両者に支援を行っている (Vincent-Lancrin, 2020[38])。国によっては、テレビやソーシャルネットワーク上で在宅学習用の番組を放送することで質の高いオンライン授業を実現するため、学校資源と教員の取り組みを補完することを決めたところもある。例えば英国では、BBC(英国放送協会)が教員や教育専門家と協力し、1年生から10年生までの生徒に毎日授業を提供し始めている。これには学習意欲の維持や社会情動的スキルの刺激を目的とした動画と双方向性のある活動などが含まれている (Van Lieshout, 2020[39])

 結論

現在のCOVID-19危機では、感染拡大を防止するために多くの国々の学校、カレッジ、大学が閉鎖を強いられた。学校閉鎖は能力の蓄積に長期的な悪影響を及ぼすと考えられることから、多くの教育制度は、かつてない規模で急速にオンラインへと移行した。有効なワクチンや治療法が利用できるようになるまでは、今後再びロックダウンが実施される可能性があるため、各国政府は、生徒、保護者、教員、校長がこの大規模なオンライン学習への移行に適応する上で直面している大きな困難を検証し、オンライン学習の潜在力をより引き出せるよう介入することが何よりも重要である。例えば、政府は、まずインフラを整備し、オンライン授業から誰も排除されないようにして、生徒と教員がオンラインツールとテクノロジーを効果的に活用できるよう支援すべきである。

本稿では、近刊予定のOECD Skills Outlook 2021の分析に基づいて、意欲や動機など、生徒の学習への態度と傾向が生徒の学業成績の重要な牽引役であり、オンライン学習を最大限有効なものにできることを明らかにした。さらに本稿は、子供が在宅学習の困難を克服できるよう導く上で、家族と教員がきわめて重要な役割を担っていることを示した。親は子供の精神面、学習面で手助けする一方、教員は相談相手として生徒の能動的な学びとやる気を喚起し、取り残されている生徒がいないかを確認することができる。こうした介入は、オンライン学習から最大限の効果を引き出すのに大きく貢献するものである。各国政府は、学校閉鎖という状況で家族と教員が果たす重要な役割を踏まえ、例えば家族休暇の機会を拡大し、学校と保護者のコミュニケーションを強化するなどして、彼らの効果的な関与を促すことが望まれる。

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担当

Fabio MANCA, OECD Centre for Skills (✉ fabio.manca@oecd.org)

Federica MELUZZI, OECD Centre for Skills (✉ Federica.meluzzi@oecd.org)

1.

その他の実証は、例えば下記の文献に収録されている。 (Behncke, 2009[41]), (Heckman, Stixrud and Urzua, 2006[40]).

2.

結果が有効になるのは、その国と課程の種類(普通科、就職前、職業訓練)における基準学年(訳注:対象となる年齢の生徒が最も多く在籍する学年の生徒、modal grade)の成績と比較した生徒の成績を考慮し、結果が学校の性格に左右されるという懸念を軽減されたときである。

3.

類似の結果は、PISAで評価した他の課目、すなわち科学と数学でも確認されている。

4.

保護者の情緒的支援はPISAで作成した指標で、保護者が行う下記の支援形態をグループ化したものである:子供の学習への努力と成績への支援、困難に直面している子供への支援、子供が自信をもつよう励ますこと。

5.

支援の程度は、PISAで作成された保護者の情緒的支援と教員の実践の指標から導き出した数値を元に定義されている。より具体的には、受けている支援のレベルが高い生徒とは対応する指標の上位25%、受けている支援のレベルが低い生徒は下位25%に含まれる生徒である。

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