グリーンリカバリー

気候変動における山火事の抑制

30/06/2023 PNG

気候変動により、世界の多くの地域で山火事の頻度と深刻さが高まっています。気温の上昇、降雨パターンの変化、乾燥地帯の増加、風や雷のパターンの変化などがそのリスクを高めています。

オーストラリアでは、1980年以降、山火事の平均発生頻度が倍増しています。森林伐採や泥炭地からの温室効果ガスの排出など、持続不可能な土地利用も、自然生態系の山火事に対する耐久力を低下させる原因となっています。

深刻化する山火事の頻発に対応するため、被害を受けた国々は、過去10~20年の間に、山火事鎮圧のための資源を4倍に増やしました。しかし、山火事の規模、頻度、深刻さが増大しており、緊急対応策では限界があることが明らかとなり、極端な山火事のリスクを発生源から軽減する必要があることが浮き彫りになってきました。

極端な山火事の季節には、緊急対応向けの資源が枯渇し、その影響を食い止める能力が制限されてきました。例えば、2009年にオーストラリアで発生したブラックサタデーと呼ばれる極端な山火事では、鎮圧に1ヵ月以上を要しました。

山火事リスクの予防のための投資が必要であることは各国とも強く認識していますが、これまでに増額された資金のほとんどは、緊急事態への備えと対応能力に充当されてきました。山火事予防のための十分かつ安定した公的資金を確保するとともに、民間の山火事予防投資を慎重に検討しつつ活用する必要があります。

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